夏の終わりの夕暮れに空には、
夕日から受ける光そのものの色をして、
風にたなびき風にたなびくでもなく、
あるかと思ってじっとみていれば消えてしまうような、
雲の切れ端が浮かんでいる。

私の乗った飛行機は飛び立ってすぐに北東の方向に大きく旋回する。
浮かぶ雲の間を緩やかにスウィングしながら空を登っていく。

それは、雲の色を体に取り込む過程で、
体の端から雲になっていく過程なんです、
曖昧な世界へ体が溶けていく。

去年の多分9月に、関空から飛行機に乗った時のこと。
EGO-WRAPPIN'のWherever You May Beを聞くと
いつでもあの感覚を思い出せる。