実際、僕らは半分夢の中に住んでいるのではないかと、
思うことはよくある。

例えば、
ポプラの綿毛が舞う道を走っている時、
シラカバの木立を通り抜ける時、
ニセアカシヤの香が漂う夏の夜に歩いている時、
暑い日に窓の外をじっと眺めている時、
その瞬間が夢ではないと誰が言うことができるのだろうか?