眠くて仕方がないので金井美恵子の小春日和を持って会議室の前のソファーに行き、
こんなことしている場合じゃないのになあと気がとがめつつも、
うたた寝をしたり本を読んだりした。
午前中は曇っていた空がすっかり晴れ上がり、
窓の外ではポプラが揺れていて、
遠くで人の話し声はするけれども周りには誰もいなくて、
いろいろな不安を付きまとわせつつもそれなりの時間を過ごした。
少し寝たあと小春日和の最後の数ページを読んだら、
似たような状況で寝ている桃子の生活で話が締めくくられていて、
金井美恵子はそんなに好きじゃないんだけれども良かった。

大牛先生が来ていたので、研究の経過の話などを軽くした。
私が話すことについて先生は何か言葉をかえすのだけど、
言っている内容がさっぱりわからず、適当にかわしながら話を終わらせた。
噛み合わない会話というのはこういうものなんだろうなと
話している最中に冷静に思った。