そもそもNNBと一緒にいてムカつくのは、彼女が長い尻尾を見せびらかすことだ。何か文句があるとき、尻尾をピンとたててみるとか、明後日の方向を向いて一人でくつろいでいるように見せて尻尾の先だけ私に触れているとか、気を引きたいときに私の目の前の鼻の先で尻尾を揺らしてみるとか、尻尾特権生物としてのわがままな行動が目に余る。
 体全体が白で尻尾だけ縞縞とか、そういう、尻尾だけとってつけたような猫がいる。猫の体の模様は遺伝と体細胞の分裂によって決まるそうだけれども、いくら何でも体は黒で尻尾だけ鯖柄とか、自然の法則では成り立たないだろうので、きっと彼らはどこかでお気に入りの尻尾を見つけて、自分の本来の尻尾の代わりにつけているのだと思う。いわゆる尻尾フェチ。中には、尻尾コレクションを持っていて日替わりで、今日はオレンジ縞、明日はボブテイルと、付け替えて楽しんでいるやつもいるかもしれない。だから、私もNNBの尻尾をとって自分のお尻にくっつけてやろうと企んで、時々NNBの尻尾を引っ張るのだけれども、そうするとNNBは、非難がましい目で私を見て離れたところに行ってしまう。

NNB近影(私のおなかにのっているところ。ちょっとエロチック。)